アルバイト選びで「コールセンターってどうなんだろう?」と考えたことはありませんか?「座って働けるから楽そう」「時給が高い」といったイメージを持つ人も多いですが、実はコールセンターのバイトは就活に大いに役立つ経験になります。
本記事では、コールセンターのアルバイトが就活でどのように活かせるのか、具体的なメリットやアピール方法について詳しく解説します。
1. コールセンターのバイトとは?
コールセンターのバイトには、大きく分けて「受信(インバウンド)」と「発信(アウトバウンド)」の2種類があります。

受信業務(インバウンド)
受信業務とは、お客様からの問い合わせや相談に対応する仕事です。主な業務内容は以下の通りです。
- カスタマーサポート:商品やサービスに関する質問対応、使い方の説明など。
- テクニカルサポート:IT機器やソフトウェアの使い方、トラブル対応など。
- 予約受付・変更:ホテル、病院、交通機関の予約対応。
- 問い合わせ対応:保険会社や金融機関の問い合わせ窓口。
受信業務で身につくスキル
受信業務では、主に以下のスキルが身につきます。
- 冷静な対応力:クレームや難しい質問に対して、感情的にならずに対応する力。
- 傾聴力:相手の話を正確に聞き取り、的確な回答をするスキル。
- 問題解決能力:お客様の困りごとを理解し、解決策を提案する力。
- 敬語・ビジネスマナー:電話対応のプロとして、丁寧な言葉遣いや正しい敬語を学べる。
発信業務(アウトバウンド)
発信業務とは、企業側からお客様へ電話をかける仕事です。主な業務内容は以下の通りです。
- 営業・テレアポ:新規顧客に商品やサービスを紹介し、契約につなげる。
- アンケート調査:市場調査や顧客満足度調査のためにヒアリングを行う。
- 督促業務:未払い料金の確認や支払い案内。
- フォローコール:購入後のアフターフォローやキャンペーンの案内。
発信業務で身につくスキル
発信業務では、以下のスキルが鍛えられます。
- 即応力:相手のリアクションに合わせて臨機応変に対応する能力。
- 営業力・交渉力:相手に興味を持ってもらい、納得させるスキル。
- プレゼンテーション能力:商品の魅力を端的に伝える力。
- 粘り強さ・メンタルの強さ:断られても諦めずにアプローチを続ける精神力。
どちらも電話対応がメインですが、受信業務は「相手の話を聞く力」、発信業務は「自分から話を展開する力」が鍛えられるため、それぞれの特性を活かして就活に活用できます。
2. コールセンターのバイトが就活に役立つ理由
コミュニケーション能力が向上する
コールセンターの仕事では、相手の話を正しく理解し、適切な回答をするスキルが求められます。特にビジネスマナーを意識した言葉遣いが必要になるため、社会人としての基本的なコミュニケーション能力が身につきます。
また、コールセンターでは非対面(オンライン)でのコミュニケーションとなるため、言葉でわかりやすく伝える力が身に付きます。コロナ禍以降オフラインでの就活面接も増えているので、コールセンターでのバイト経験は役に足つでしょう。
クレーム対応力が鍛えられる
特に受信業務では、お客様からクレームを受けることもあります。最初は大変に感じるかもしれませんが、冷静に対応する力がつくと、就職後の仕事でも役立ちます。クレーム対応の経験があると、面接で「困難な状況をどう乗り越えたか」を具体的に話せるのもメリットです。
クレーム対応力は、就活生・社会人として重要な課題解決スキルと言い換えることもできます。お客様からのクレームを課題と捉え、その課題を1人の力で解決するという機会を経験することができることは就活生にとっては大きな財産となるでしょう。
丁寧な言葉遣いや敬語が自然と身につく
コールセンターでは「正しい敬語」を使うことが徹底されています。例えば、「~になります」という表現が誤用であることを知るなど、社会人として必要な言葉遣いが学べます。面接の際にも話し方は非常に重要であり、話し方によって面接官に与える印象は大きく異なります。多くの大学生が丁寧な言葉遣いを身につけるのに苦労する中で、コールセンターのバイトを通して自然と身につくのは大きなアドバンテージになるでしょう。
メンタルが強くなる
クレーム対応をはじめ、コールセンターの仕事は精神的な負荷がかかる場面もあります。世の中には様々な人がいるため、場合によっては理不尽なクレームの対応をしないといけない機会もあるかもしれません。しかし、その分ストレス耐性が鍛えられ、就職後に理不尽な対応をされても冷静に対処できるようになります。また、面接の際に難しい質問をされた際に冷静に対応できるスキルの向上も見込めます。
データ入力やPCスキルが向上する
電話応対だけでなく、データ入力やシステム操作も日常的に行うため、基本的なPCスキルが向上します。特に、タイピング速度が上がることは多くの職場で役立ちます。こういった事務作業の経験は、就職活動が終わった後の、実際の職場で非常に役立つ経験となります。
3. コールセンターの経験を就活でどうアピールする?
前提として、コールセンターのバイトを通して、コミュニケーション能力や、丁寧な言葉遣い・敬語が自然と身につくため、面接の際の話し方で他の就活生よりも有利になっています。
また、コールセンターの経験は、多くの業界で活かせます。ビジネスパーソンとしてのコミュニケーション能力、課題解決力は業界を問わず活かせるでしょう。
それに加えて、コールセンターのバイト経験を履歴書や面接で効果的にアピールするためのポイントを紹介します。

自分の役割と成果を具体的に説明する
面接やエントリーシートでは、ただ「コールセンターで働いていました」と伝えるだけではなく、どんな役割を担い、どのような成果を出したのかを具体的に説明しましょう。
- 「1日50件以上の問い合わせに対応し、顧客満足度向上に貢献しました。」
- 「マニュアルにない質問にも柔軟に対応できるように知識を深め、対応スピードを20%向上させました。」
成長の過程を伝える
企業は「どのように成長したか」を評価することが多いです。最初はうまくできなかったことが、どのような努力で改善されたのかを伝えることで、成長意欲のある人材としてアピールできます。成長の過程を伝える際には、PDCAサイクルを実施したことをアピールしましょう。
「最初は敬語がうまくクレーム対応ができず苦労しましたが、先輩の指導を受けながら〇〇を意識しながら対応するようにしました。その中で、□□も重要であるということに気づき、最終的にはスムーズな応対ができるようになりました。」
仕事を通じて得たスキルを職種に関連付ける
コールセンターで身につけたスキルを希望職種にどう活かせるのかを明確にすることが重要です。
- 営業職:「発信業務で培った交渉力を活かし、クライアントのニーズを的確に把握できる。」
- 事務職:「受信業務で得た正確なデータ入力スキルを活かし、迅速な事務処理ができる。」
「困難をどう乗り越えたか」をアピール
企業は「逆境を乗り越えられるか」を重視することが多いです。クレーム対応や難しい交渉を乗り越えた経験を具体的に伝えると、粘り強さや問題解決力をアピールできます。成長の過程を伝える際と同様に、PDCAサイクルを実施したことをアピールすることも効果的です。
「クレーム対応時、相手の気持ちを理解しながら適切に対応することで、最後には感謝の言葉をいただけました。」
4. コールセンターのバイトをする際の注意点
クレーム対応が多いことを覚悟する
どんなに丁寧に対応しても、理不尽なクレームを受けることがあります。ストレスを感じやすい人は、クレーム対応の少ない業務を選ぶのも手です。
ノルマがある場合もある
特にアウトバウンド(発信)の仕事では、契約件数などのノルマが課されることがあります。ノルマを課される経験は大学生にとってはなかなかできない経験であり、ノルマを達成できたエピソードは就活の場で実際の数字を示しながらアピールできるため説得力も増します。
目標達成までの努力を具体的にアピールできるためおすすめですが、一方でプレッシャーが苦手な人は、インバウンド(受信)の仕事を選ぶとよいでしょう。インバウンドの仕事でもコミュニケーション能力や、課題解決能力を身につけることができます。
シフトの融通が利かないことも
コールセンターは24時間体制のところも多く、繁忙期にはシフトが厳しくなることもあります。事前に勤務条件をしっかり確認しておくことが大切です。シフトの融通が効く求人や、在宅でできる求人もありますので、自分に合った求人情報を見つけましょう。
5. まとめ
コールセンターのバイトは、ただのアルバイトではなく、就活に活かせる貴重な経験となります。特に、
- コミュニケーション能力の向上
- クレーム対応力(課題解決力)の習得
- 丁寧な言葉遣いの習得
- ストレス耐性の向上
- PCスキルの向上
といった点で、どの業界・職種でも役立つスキルが身につきます。
就活でアピールする際は、「具体的なエピソードを交える」「希望職種に関連するスキルを強調する」「困難をどう乗り越えたかを伝える」といった工夫をすることで、より説得力のある自己PRができます。
「ただのアルバイト」ではなく、「成長の場」として、コールセンターのバイトを活かしてみてはいかがでしょうか?
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